染織工房 ピラッカ舎
当工房では、豊かな自然のもと、養蚕から糸作り、
植物での染色、手織りまでの全工程に取り組んでいます。
ピラッカとは八重山方言でのんびりやーのこと。
どうぞよろしくお願いします。
Message from the workshop owner
遡ること140年以上むかし、沖縄が琉球王国だったころ 王国と外国との交流により織の技術が伝わり、 沖縄の気候や特性に合わせ多種多様な染織物が生まれました。
生糸や絹を主原料とする紅型、琉球かすり、久米島つむぎ、読谷山花織…… 八重山地方では、与那国花織などが広く知られています。
前の時代の物を見ると、驚くことが多いのです。
手間をかけ、使いやすく工夫され、島の気候にも合ったもの。それはとても々美しくて。
昔の人が、どの様に私たちに命を繋いできたかを考えます。
戦争や貧しかった時代を乗り越えてきた人が、どうして心が明るく強いのか。
それは、何もないところから自分の手で作り出してきたという、自信なのだと思います。
昔の農家は、作物を育て、夜はわらじ編みと、機織りと。
百姓は百の仕事をこなすから。
祖父母が残してくれた畑を耕し、そうした生活に一歩一歩、近づきつつあります。
まずはやってみよう!を精神に。
自然からの恵みに感謝しながら、日々、タンタンと織っています。
苧麻緯絣絽織着物
目の悪くなった義祖母が、これが最後の糸だと紡いでくれた苧麻糸で織りました。
海にしとしとと降る雨がやがて止み
静かに晴れ渡りそうな情景を思い浮かべて製作しました。
涼しい夏の着物にしたかったので、緯糸に絽がはいっています。
蚕を育てて紡いだ絹糸
染織作家・織染工房ピラッカ舎オーナー
玉盛佐織(たまもり さおり)
《略歴》
2007.2 石垣市織物事業協同組合 八重山ミンサー講習を修了
ピラッカ舎として活動を開始。草木染めストールや小物を販売
2015.3沖縄県工芸振興センター織物工芸技術者養成研修を修了
研修中に、元大日本蚕糸会の狩野寿作先生に養蚕指導を受ける
2015.6 養蚕(夏蚕)を開始
2021.10 店舗兼工房が完成
2021.11 7回目の養蚕(晩秋蚕)を行う
- About Activities -
染色工房ピラッカ舎の活動
【養蚕〜糸作り】
この島の気候に合ったものを。手挽きの糸は、ぽこぽこしているので空気をよく通し、軽くて涼しい反物に仕上がります
- 養蚕(ようさん)… 蚕の餌となる桑を育て、蚕を飼育し繭になります
- 煮繭(しゃけん)…繭を選別し、繭を煮て糸口を取りやすくします
- 繰糸(そうし)… 上州座繰器を使い、数十本の繭糸を合わせて一定の太さの生糸にしていきます
- 合糸(ごうし)…2本の生糸を合わせて、太い糸にしていきます
- 撚糸(ねんし)…糸を強くするために撚糸器で撚りをかていきます。撚糸器はトマイ木工の八丁撚糸器を使用しています
- 精練(せいれん)…石鹸などを使い、絹糸表面のセリシンを取り除くことで、柔らかい風合いの糸になります。どの反物を織るかによって糸の硬さを調整します
【染色】
出来るだけ、身近な植物で染めています
- 染料植物の育成…農園内では天然染料にするための植物を育てています。福木、月桃、桑の実、、色々なものから染めています
- 染色(せんしょく)…天然染料と土に還る媒染剤を使って、染めています。 色の堅牢度を高めるため、数日に分けて染料の濃度を上げ、重ね染めしていきます
【織り】
どんな人が、どんな時に着てくれるのだろう。想像を楽しみながら織っています
- 整経(せいけい)…経糸を本数、長さ、幅などの織物図案に従い均一の張力で巻き取っていきます
- 仮筬通し(かりおさとおし)…整経で揃えた経糸を、織物図案にそって筬に通す作業。しなりのある竹筬を使います
- 千切箱巻き…糸をデザイン通りに並べ、千切箱に巻き取っていきます
- 綜絖通し(そうこうとおし) …仮筬通しの後、綜絖に糸を通していきます。 綜絖は、布を織る時に経糸を決まった本数分まとめて上下させ、柄を出していく道具です
- 手織り(ており)…八重山の高機で手織りしていきます
絹織物体験(準備中)
ピラッカ舎では、未経験の方でもご参加いただける絹織物体験を開催しています(準備中)。
素材は手挽き絹糸を、天然染料で染めたものを5〜6色ご用意。高機に掛けられたタテ糸に、お好みのヨコ糸をお選び下さい。
小マット お一人3,800円
2時間程度。
ストール お一人8,800円
2.3日かかります。
期限は、織り始めから1ヶ月で、ご都合の良い時間にお越しいただけます。